AKB48の男バージョン「少年24」


CJ E&MLIVEWORKS COMPANYと共にしかける新たなプロジェクト「少年24」

新たな…とはいえ、そのローンチ計画を見ると我々日本人にはさほど新鮮味のない内容になっているように思う。


システムがAKB48

というのも、そのローンチ計画はこうである。“オーディションと専門的なトレーニングを積んだ24人のメンバーが、明洞にあるビルにある常設会場で1年365日ライブ公演を行う”…それ、AKB48やんね?っていうね。人数はちょうど半分の24人だし、ロールモデルにしていることは確実じゃないかと思うこのプロジェクト。


最近は特にデビュー前に、こういう公演を多数こなして、事前にファンダムを形成させてから正式にデビューさせる形が密かに流行っているよう。大手芸能事務所の一つであるSMエンターテイメントでも、昨年からSMルーキーズに定期的な公演をさせてファンの様子を見ている。


つい最近では、FNCエンターテイメントが次世代の新人を発掘するためのトレーニングシステム「FNC NEO SCHOOL」開校し、継続的に有力な練習生に経験を積ませ、ファンにとってはデビュー前の青田買いの楽しみを与える制度をスタートしている。



事務所の有力な人材不足か、ただの怠惰なのか

結果的には、24人が一つのグループとしてデビューするわけではなく、このプロジェクトを通して、熱いファンダムを持つ上位メンバーたちをひとまとめにしてグループ化し、本格的に芸能界にデビューさせるという。


こうして事前にK-POPファンにお披露目することによって、人気の出るメンバーはおのずと自然に選出される。つまり事務所側が多数いる練習生の中から、人気が出るだろうメンバーを選出するという面倒がない。そのうえ、すでにファンダムが形成されているので、デビュー直前・後に綿密な広報活動をしなくとも、収益が見込めるというメリットがある。


事務所側にとってはお金はかかるものの、楽でもある気がする。ただ、抱えている練習生の中から、どの子がものになるのか?というのを見抜く力のある人材がもしかしたら不足しているのではないか?という疑心も生まれなくはない。もしくは、見抜けなくはないが、手っ取り早い方法があるならそれでいいじゃーん!的な怠惰的なものなのか…とか。


本当のターゲットはどこなのか?

幼いものを一緒に育てていくその過程を楽しむことを好む日本人の気質と違い、基本的には、すでに完成されたものを好む韓国人の気質にこのプロジェクトがどれくらい功を奏するのかが気になるところ。


この公演で外国人観光客を誘致する…ということなので、そもそも国内に対しての大きな成果は期待していないのかもしれない。ただし、365日渡韓し続けるわけにもいかない外国人K-POPファンが気軽に参加し続けられるとも考えにくい…。となると、果たして今後3年間で250億ウォンを投資して、期待通りの回収ができるものなのか、今後の様子をお隣の国から生温く見守ってみたいと思う。

三栗あいのK-POP LOVER

年間1000曲以上のK-POPを聴き比べるK-POP評論家/研究家… K-POPの中心であるアイドルグループから、ソロアーティスト、バンドグループまで、韓国音楽を自由に泳ぎ回っては、好き勝手に語ってます。